別紙5-1
2-29 |
横浜市建築協定連絡協議会特定非営利活動法人 横浜プランナーズネットワーク |
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活動名称 |
建築協定連絡協議会の活動充実・体制強化に向けた検討及び試行(その1) |
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活動地域 |
神奈川県横浜市 |
活動分野 |
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高齢化など住環境の変化がすすむ中、地区の住民で構成される建築協定地区の運営委員会が、担い手を確保し建築の審査や指導などの活動を行う難しさが増している。横浜市建築協定連絡協議会は、機関紙の発行、見学会・勉強会の開催等により、地区支援の成果を上げているが、支援内容のより一層の充実が求められている。このため、協定地区の運営実態を把握するとともに、協定地区の運営情報やノウハウ等を共有する方法の検討や、地区間の交流・意見交換の試行を行った。
建築協定各地区の住民により構成される建築協定運営委員会では、建築協定の基準への適合審査や指導、建築協定区域隣接地への加入勧誘など多岐に渡る活動を行っている。しかし、これらの活動を専門知識の少ない地域住民が的確に行うことは難しく、様々な支援が求められている。
横浜市建築協定連絡協議会は、市内171地区の建築協定区域の土地所有者等を会員として設立された組織であり、各運営委員会の活動を支援するため、横浜市の支援を受けて建築協定に関する情報交換や普及啓発などを推進している。機関紙の発行、見学会・勉強会の開催、マニュアル等の発行などにより一定の成果をあげてきているが、地域住民の高齢化、建築確認の民間開放など、建築協定の運営をとりまく環境は厳しさを増してきており、活動内容のより一層の充実が求められている。
このため、活動基盤・体制の強化を含め、活動内容の充実に向けた検討・試行を、まちづくりNPOと連携して行うことを目的とする(今年度から2、3年かけて検討・試行を行い、体制の見直し、活動内容の拡充を図る)。今年度は、建築協定地区の現状把握・分析と情報のデータベース化を図り、その活用方法について検討した。
(1) 市内の建築協定の運営状況等の把握及びその情報のデータベース化
横浜市建築協定連絡協議会とNPO法人横浜プランナーズネットワークで、作業部会を設置し7月末から検討・作業を開始した。
建築協定地区の概要データのデータベース化、協議会が実施した協定地区運営に関するアンケート調査結果のデータベース化をすすめるとともに、アンケート調査結果を補完し、運営の実態をより具体的に把握するため、10地区を選択して、現地見学と地区運営に関するヒアリング調査を実施した。
また、建築協定地区運営に関する基礎資料を収集した。
(2) 運営状況等の情報の活用方法及び情報共有化の検討・試行
協定地区の運営に役立つ情報の共有化手法の検討・作業を9月から開始した。
協定地区の概要やアンケート調査結果、その他地区運営に関連する資料を運営委員会相互に共有するため、協議会のウエッブサイトの開設を検討することとした。今年度は、サイトの構成を検討するとともに、サイトの一部を作成し、活用方法の検討・検証ができるようにした。
●検討の内容と手順
(3) 地区相互間、他組織とのネットワークづくりの検討・試行
11月から検討を開始した。地区間の情報交換や担い手の交流を促進するため、「方面別(テーマ型)の交流会」と「工業系地区の意見交換会」を開催することとした。
今年度は、1月26日に「工業系地区の意見交換会」実施した。ついで、2月12日に、西部方面(保土ケ谷、旭区、瀬谷区、泉区の4区)を対象に「西部方面交流会」を実施した。
(4) その他自主的な活動を行うための仕組みの検討・試行
「西部方面交流会」や「工業系地区意見交換会」の成果等を踏まえ、協議会が地区の運営委員会活動やその担い手の育成・支援を充実するため検討を行った。
(1) 地区概要とアンケート調査結果
建築協定地区の概要(失効地区を含む全 446 件)、有効地区を対象に横浜市建築協定連絡協議会が行った地区運営に関するアンケート調査結果(回答112地区)を活用しデータベース化し活用した。
また、横浜市が公開している、位置図情報、区域図情報とのリンクや既存の建築協定だよりなどに紹介された地区情報、協定地区の運営に関するQ&A等を関連データとして付加した。
(2) 建築協定地区の運営に関連した資料の収集整理
基礎的な資料として以下を作成した。
○「建築協定だより(創刊~50号)」収集し記事内容を整理した
○「総会・勉強会アンケート(H18~H21)」内容項目を整理した。
○ 総会・勉強会で開設されている相談コーナーでの相談内容と回答の一覧(H19~H21)を収集するとともに、データ化した。
○ 総会における講演の記録を収集し、整理するとともに、講演集を作成した。
○ 建築協定だより等で紹介された協定地区事例紹介集(横浜市内・市外)を作成した。
○「Q&A集(建築協定だより(創刊~50号)より)」を作成した。
○ 平成21年「秋の勉強会」で実施したアンケートを集計した。
(3) 現地調査と運営上のヒアリング
アンケート調査結果を補完するため、回答内容を分析するとともに、地区の規模、協定期間等を考慮して10地区を選択し、地区の運営状況のヒアリング調査実施した。
地区の概要とヒアリング結果の議事要旨は以下の通りである。
① 戸塚鳥が丘地区(平成21年10月16日 運営委員会2人、協議会3人、横プラ3人、市4人)
(概要)
・ 昭和54年3月に認可され(30年経過)
・ 永年協定(廃止まで)の区域
・ 規模が大きい協定区域(区域面積22.65ha,(当初)1,122区画)
・ 開発住宅地で合意型
(ヒアリング結果)
・ 建売住宅地。2世代が住むには狭い。60代の夫婦が多く独り住まいの方も居る。空き家もある。
・ 誰でも委員になる輪番制。2年任期。9人の半数が入れ替わる様にしている。
・ 毎月第2土曜日午前委員会を開催。大きな課題がなくても毎月開くことが意識向上のため大切。
・ 住民の出入りを把握することが大切。地権者のデータベースを持っている。
・ 審査は出来るだけ自分達でやり、外部のアドバイザーにアドバイスを受けている(5000円/1件)
・ 違反を発見したら、委員全員で違反者のところへ話しにいく。
・ 処置はかなり厳しく実施。一方でデイケア施設等必要なものには弾力的に対応。ルールは住みやすさを実現するためにある。
・ 2世帯居住を実現するため地区計画を検討したことがある。反対者が4割あったので断念。
② さちが丘A地区(平成21年10月21日 運営委員会4人,協議会3人,横プラ1人,市4人)
(概要)
・ 期間 10 年(現行の協定は平成 14 年に認可)。現在 2 期目。更新時に 1 区画減少 #.270 さちが丘A地区(当初平成 4 年に認可) #.377 さちが丘A地区 ・ 規模の小さい地区(約 1.4ha。61 区画)。 ・ 宅地開発地で合意して協定締結。 ・ 協定の他に「まちづくり指針」がある |
(ヒアリング結果)
・ 区画数の割に委員が多い。役員4人(選挙)とブロック長7人(2年任期輪番制)で構成。
・ 自治会の一部が協定区域。自治会との関係はない。自治会役員の兼務も無い。
・ ニュースは年3回程度発行。後で確認できる記録をつくるという意味も大きい。
・ 新規入居者へは、売り主、不動産屋さんから建築協定の存在を説明。
・ 運営委員会は年2回開催。委員会の前に全員で巡回を行う。委員の意思疎通に役立つ。又、住民へ活動を知らせる機会になる。
・ 第1期の協定は地主が結んでいたもので休眠状態だった。高圧線下の変電所の建設問題への取組みを機会に自分達で協定をつくろうという動きになった。
・ 建築協定の細則的な役割がある「まちづくり指針」がある。協定に盛り込めない環境保全に関わる内容も入っている。
③ 市ケ尾町泉天ヶ谷公園地区
(平成21年12月3日 運営委員会1人,協議会5人,横プラ4人、市区4人)
(概要)
・ 91区画の合意型建築協定地区(区域面積約2 ha)
・ 平成20年3月から協定(地区番号#.442)。一期目
・ 協定期間10年間。1/2以上の合意で5年間延長(2回まで)
・ 自治会の区域と協定区域がおおむね一致している
(ヒアリング結果)
・ 以前の協定が失効した。その結果、建替え・増改築が増加、放置された空家などへの対応のために平成16年に再締結検討開始。
・ 協定失効にともなうトラブルは、町内会では手に負えないということで、町内会の有志が集まった。
協定締結まで3年かかった。
・ 年会費500円は、町内会組長にお願いして、町会費(2,400円/軒・年)と併せて徴収。
・ 協定は隣接する地区(市ヶ尾町D地区)の内容に習った。特に併用住宅の制限に関連して。
・ できたてなので運営委員会はまだ開催されていない。隣接地区からアドバイスを受けた。青葉区まちづくりセンターにもお世話になった。行政と一緒になってデータを収集しいち早く対応することが大切。
・ 事務局の働きが一番のポイント。(メールアドレスの管理など)
・ これから、地権者向けPRレターの発送、他地区見学・勉強会の開催、建替え・増築等の情報連絡会
(チェックリストの作成)等に取組みたい。
④ 美しが丘中部地区
(平成21年11月30日 アセス委員会5人、協議会3、横プラ2人、市区5人)
(概要)
・建築協定から地区計画に移行した地区。 ・昭和47年に合意型の協定で発足(「美しが丘個人住宅会建築協定」全国初の住民発意型建築協定)。その後、 「美しが丘中部自治会」として建築協定を継続。3 期継続。 ・平成 16 年 1 月に廃止。地区計画「青葉美しが丘中部地区地区計画」に移行。区域面積 47.2ha 建築協定第 1 期 016 美しが丘個人住宅会 青葉区 昭和 47 年 2 月 15 日 10年間 昭和 57 年 2 月 14 日 488 区画 027 東急美しが丘分譲地 青葉区 昭和 48 年 8 月 4 日 10年間 昭和 58 年 8 月 3 日 277 区画建築協定第 2 期 132 美しが丘中部自治会 青葉区 昭和 59 年 1 月 25 日 10年間 平成 6 年 1 月 24 日 736 区画建築協定第 3 期 288 美しが丘中部自治会 青葉区 平成 6 年 1 月 25 日 10年間 平成 16 年 1 月 24 日 770 区画 区域面積 275,742.00 ㎡ 770
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(ヒアリング結果)
・ 一度地区計画移行の提案があったが見送った。平成11年から検討を再開し、5年かけて地区計画に移行した。
・ 移行理由は、1)穴抜け地の増加、2)確認業務の民営化にたいする不安、3)協定委員の担い手不足、4)委員業務の複雑化等
・ 建築協定と地区計画の制限内容はほぼ同じ。店舗併用住宅を認め地区内に取り込んだ。玄関が2つある長屋(多世代住宅)を許容。
・ 建築協定時代の「地区計画検討委員会」と自治会内の「建物・環境委員会」が地区計画移行後合体して「青葉美しが丘中部地区計画まちづくりアセス委員会(委員20人、役員は自治会から、推薦委員と公募委員(8 人))」となった。
・ 自治会の区域と地区計画区域を一体化し、自治会の専門委員会(任期2年)としてアセス委員会を設置。
・ 「まちづくりガイドライン」(紳士協定)、「住宅基本台帳」の作成、区域の表示看板6ヶ所設置等。
・ 毎月1回アセス委員会を開催。建築確認情報を入手しアセス委員へ報告、ガイドラインチェク表の審査、住民要望の調整等を行っている。
・ グループホームやケアプラザを作る話がでたが周辺の反対でつぶれた。委員の若返りが必要。
⑤ 北山田六丁目東部地区
(平成21年12月15日 委員会7人、協議会5人、横プラ2人、市2人)
(概要)
・ 40区画の合意型建築協定地区(区域面積約0.9 ha)
・ 平成14年2月に認可(地区番号#.376)。永年型(過半数の継続反対がなければ5年ごとに自動更新)
・ 自治会の一部が協定区域
(ヒアリング結果)
・ 港北ニュータウンの区域内に点在していた小規模宅地が集合換地された地区。
・ 昭和57年頃転居してきた。独居老人も出てきている。昨年は4戸が移転。転売しようとする時協定がかかっていると評価が下がるという考えで、協定更新に賛同してもらえない。(過半数の反対が無ければ5年毎に自動更新)。次期更新に向け5割確保できるか課題。
・ 二世帯住宅にして借家にしたいという要望が有る。不動産屋さんには出来ないと返事している。年金生活で家賃収入が必要な場合ダメとは言えない状況。2世帯で住んでいる住宅が10戸ある。
・ 当初からの委員が継続している。委員数5人。たいした活動をしている訳ではなく長くやっていられる。お金
(活動費)もかからない。
・ 建築協定が町を保全していることを次の世代に伝えることが大切。
⑥ いずみタウン金沢文庫
(平成22年1月16日 運営委員会3人,協議会4人,横プラ2人,市1人)
(概要)
・ 73 区画の合意型建築協定地区(区域面積約 0.9 ha)。A,B の 2 地区に分けて用途を制限
・ 当初昭和 59 年 11 月に認可(地区番号#.153)。協定期間 10 年間。3 期目(#409)。
・ 自治会の一部が協定区域
(ヒアリング結果)
・ 開発住宅地で開発から25年が経ち70,80代の人もいる。現在39戸。昭和61年に運営委員会発足。
・ 平成7年まで当初の運営委員会のメンバー変化なし。平成11年意向ブロック別輪番制。任期2年。
・ 委員になって半年は何も分からない。引き継ぎが大切。委員長がアドバーザーとして1年間残る仕組みを検討中。
・ 玄関が2つある2世帯住宅への対応が課題(現在不可)。玄関二つの二世代住宅を許可している事例(条文)を知りたい。
・ 「隣接地」と「事前協議地区」の違いが不明確であり、違いを正確に教えて欲しい。
⑦ 南舞岡1・2丁目地区
(平成22年1月19日 運営委員会3人、協議会4人、横プラ5人、市2人)
(概要)
・ 昭和 40 年台後半に開発された大規模な住宅地の建築協定。合意型。(当初開発型)
・ 10年間で無限延長だった地区を再締結した地区。当初、昭和46.9月認可。平成10年4月に統合して再締結。協定期間を変更。
・ 協定区域は、自治会の区域にほぼ一致している。
(ヒアリング結果)
・ 運営委員会の実体がなかったので3期目に一度失効。住民から協定があった方が良いという意見があり、平成8年に準備委員会設立。平成10年2月に現在の協定が発足。役員9人。原則輪番制。断られることも多い。
・ 活動資金は戸当り300円/年。自治会費に合わせて班長が徴収。自治会とは関係をもちながらも別組織。
・ 班長が50人いる。毎年変わるので協定の知識が広がる。権利者が変わると班長から連絡がくる。
・ トラブルがあり訴訟費用を積み立てている。会費の中から5万円/年。現在100万円を超している。
・ 委員会では2、3年前から地区計画移行も検討。未加入の問題、担い手確保の難しさなどが背景。実際のところ合意形成は難しい。時間もかかる。
・ 更新時にアンケートを実施。79%が継続賛成。運営委員会だよりの特集号で報告。
・ 高齢者の利用施設への対応、敷地分割制限の緩和(現在300㎡まで)、共同住宅対策などが課題。
⑧ 栄本郷台住宅地区(地区計画)
(平成22年1月22日 まちづくり21委員会6人、協議会5人、横プラ2人、市2人)
(概要)
・ 建築協定から地区計画に移行した地区 ・ 昭和40年代後半~50年代に造成された計画開発地で締結された複数の開発型(1人協定)の建築協定(協定期間 10 年間(無限延長)又は廃止まで)が、平成 8 年に統合(合意型)された(協定期間 10 年)。 (当初) #.029「野村本郷台分譲地(第 2 工区)住宅地区」認可昭和 48.11 区域面積 45,645 ㎡ 当初 196 区画 #.043「野村本郷台分譲地(第 5 工区)住宅地区」認可昭和 51.10 区域面積 33,736 ㎡ 当初 151 区画 #.055「野村本郷台分譲地(第 6 工区)住宅地区」認可昭和 53.3 区域面積 31,604 ㎡ 当初 150 区画 #.113「野村本郷台分譲地(Ⅱ期造成地区)住宅地区」認可昭和 58.8 区域面積 6,300 ㎡ 当初 19 区画 #.149「野村本郷台分譲地(Ⅲ期造成地区)住宅地区」認可昭和 59.6 区域面積 19,558 ㎡ 当初 88 区画 (統合) #.322「本郷台住宅地区」認可平成 8.9 区域面積 279,354 ㎡ 当初 1,271 区画に ・ 平成 18 年に「栄本郷台地区地区計画」(区域面積 63.3ha)に移行した。
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(ヒアリング結果)
・ 6年間かけて平成18年に地区計画に移行。20%程度の穴抜け地、老健施設の建設騒動などが理由。当時の判断としてはベストの選択だった。合意形成が非常に重要。
・ まちづくり21委員会を平成15に設立。委員会は、自治会、協定委員会、公募推薦各1/3づつで構成。活動の柱は広報。移行までに広報36回、号外3回、別冊1回出した。
・ 用途地域が4種類有り制限の作り方に苦労した。先に移行した湘南桂台の方にコーグィネータを依頼、現地見学などもした。
・ 「本郷台まちづくりガイドライン」を作成。色彩などについて建築と併せて審査している。
・ 空き家が出ても結構売れている。環境が買われている。自治会のパトロールから新しい情報が入る。世代を超えた自治会活動が重要である。新入会員向けに懇談会を実施。昨年は60世帯。
・ 建築協定時代に訴訟を経験。毎年20万円積立て500万円になっている。
・ 高齢者が増え必要な施設への対応を検討する必要がある。10㎡未満の増築の問題もある。専門家も必要。
紹介して欲しい。
⑨ 関ヶ谷自治会区域内(平成22年1月25日 委員会4人、協議会3人、横プラ3人、市2人)
(概要)
・ 区画数 1,049 の大規模な建築協定。幹線道路沿道の A 地区とその他の B 地区で用途の制限が違う
・ 昭和 57~59 年にかけて認可された一連の計画開発住宅地の建築協定(3 地区(#.42,58,66)。何れも協定期間は 10年で無限延長)が統合され、平成 12年 3月に再締結(#.361)し認可された。(協定期間は 10年で無限延長)
・ 建築協定区域は、自治会の区域にほぼ一致している。(自治会から活動費の補助あり)
(ヒアリング結果)
・ 大規模開発地区(1,000 戸を超える)の 1 人協定が母体。当初、容積率 60%、建ぺい率 40%。条例改正で容積率が 60%になったため、自治会内に新協定準備会(22 人)をつくった。平成 2〜9 年で検討。平成 9 年に新協定策定委員会発足、平成 11 年認可となった。北側斜線、2m の壁面後退が特徴。
・ 第 2 種風致地区がかかっている。協定からはずれても規制は効いている。
・ 建築協定(基本ルール)、運用基準(マニュアルとして活用)、協定だより(ルールの周知、啓発)により運用。問題は回避できている。
・ 1,000 戸を超え、住宅地ができてから時間が経過している。新しい協定をつくり合意を得るのは難しくなっている。運用基準をつくり協力をお願いする方法しかない。
・ 協定運営委員会は自治会の活動部門の一つ。自治会から副会長他 2 名が参加。運営委員は公募しているがなり手が尐ない。自治会から運営費(1万円/年)が出ている。会費徴収していない。
・ 「協定だより」は、問題が起きた時に発行。自治会経由で全戸配布。年 1 回程度発行。
・ 建替えは最近減ってきている。行政が運営委員会に連絡するよう誘導してくれるのでトラブルが回避できている。
・ 不動産のチラシに建築協定がかかっているこを記載してもらい効果があった。協定により不動産価値が維持されている点のアピールが必要と感じている。登記簿を取り寄せ建て主を調べている。穴抜け地にも協定加入の勧誘をしており、加入する例もある。
⑩ 長倉町自治会(平成22年2月16日。自治会7人、協議会4人、横プラ2人、市2人)
(概要)
・ 栄区長倉町の住宅地。第一種低層住居専用地域(容積率 80/建ぺい率 40)。 周囲は市街化調整区域で円海山風致地区(第1種)に指定されている。 ・ かつて、以下の建築協定地区の一部に含まれていた地区。 #005 朝比奈台住宅地区建築協定(S45.6.25認可公告) #006 朝比奈台住宅第2地区建築協定(S45.6.25認可公告) の二つが長倉町地区にかかっていた建築協定 ・ 平成 21 年 9 月現在、240 世帯、592 人が居住(人口が減尐する傾向があったが、近年世帯数と人口が増加に転じた) ・ 平成16年~21年の年齢別人口の変化をみると、40歳代前半、50歳代前半と15歳未満の年齢層が転入増加し、高齢者が転出減尐する傾向が見られる。子育て層が転入増加している。
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(ヒアリング結果)
・ 昭和45年に造成が開始された住宅地。当初160区画。平均区画面積250㎡。現在204世帯、583人が居住。
・ 取得時には転売禁止条項があり、建築協定も定めていた。建築協定は20年前に敷地分割の問題等で継続を取りやめた。
・ 2世帯居住や敷地売却後2分割し、建物付き分譲を購入し居住。口コミ紹介で購入する人が多い。30〜40歳の子育て層が増えている。高齢による転居で転売される。現在も高齢一人世帯が数件ある。
・ 周辺に緑が多く、自然に接することができる。地価が安い、「うるさい」協定がない。新しい人を受け入れるコミュニティ気質があり、新住民にとって住みやすい。
・ 協定はないが、コミュニティ活動が街を守ってきた。町内会行事、地区外行事への積極的な参加促進。
自治会の下にある60歳以上で構成する『白寿会』(108名)が実行部隊として活躍。
アンンケート調査の結果やヒアリング調査の結果、担い手の確保、建築の審査等に関連して多くの地区が課題を抱えていること。同時に、各地区ではこれらの課題に対して独自の工夫や取組みが行われているこが明らかになった。
各地区がかかえる運営上の課題や課題解決の工夫、取組みを共有することにより、協定地区の運営を円滑にすることが期待される。
このため、総会・勉強会における会員アンケート一覧、協議会の総会・秋の勉強会・春の勉強会の資料、総会で配布されたQ&A等の地区運営に関する既存資料を収集し整理するとともに、これらの資料を効率的に活用して各地区の運営に活かす手法の検討を行った。。
具体的な取組みとして、協議会のウエッブサイトを開設することとし、サイトのメニューや構成、提供情報の内容について検討し、テスト活用(オフライン)・評価を開始した。
建築協定地区の運営は、地域の景観づくりや高齢化への対応等、地区のまちづくりと密接な関係を持っている。建築協定地区の運営委員会が、地区の自治会と連携したり、他の地区の運営委員会や地域で活動する団体等と連携・協力し、委員会運営を円滑にすすめることが期待される。
このため、今年度は、近接した地区間の情報交換や運営に関する意見交換を支援することを目的として、方面別の交流会と工業地区の意見交換を開催した。
●方面別交流会チラシ
日 時 平成22年2月12日(金) 午後7~9時場 所 旭区役所新館 会議室出席者 協定地区運営委員会(3地区): 東戸塚グリーンタウン(2人)、横浜興和台(2人)、領家地区(3人)建築協定運営連絡協議会(3人) NPO法人横浜プランナーズネットワーク(8人) 横浜市 地域まちづくり課(2人)、関連区(3人) |
●西部方面建築協定地区の位置
1)第1部 活動報告
①東戸塚グリーンタウン
番 号 |
建築協定名 |
事前 協議 |
認可公告日 |
有効期間 |
当初面積(㎡) |
当初区画数 |
協定締結タイプ |
更新等 |
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住民 合意 |
1人 |
開発(1 人型を除く) |
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407 |
東戸塚グリーンタウン |
実施 |
平成16年 10月5日 |
10年 |
39,291.36 |
222 |
○ |
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|
当初昭和 58年9月。 3期目 |
・ 建物の高さと擁壁のみを規定している。スタート時より尐しゆるくした。
・ 締結後 27 年経ち、スタート時のことを知っている人が尐ない。
・ 規則では高さは9m になっているが、実際に当初建て売りで作られたのは8m 程度。日照の問題があり、低くしたのではないか。建替えで9m になると、建築協定に合致していても近隣からは不満(「以前より高いが協定違反ではないか?」という疑問)が協定運営委員会に来る。規則で決めている以上、建築協定では解決できず、意味のない協定だという意見もある。
・ 8m か9m かという協定の数字ではなく、住民がどうかかわっているかということが重要だと思う。
・ 元が協定の規則より低い8m だったことについては、当初の状況を地区に知らせたら理解が得られ守られるのではないかと思ったが、「地域の欠点をわざわざ知らせることはない」と反対された。
・ 最近、太陽光発電のパネルをつけるため、屋根の南側を広くとる傾向がある。そうすると棟の位置が北寄りになり、軒の位置も変わるので、影の出方が変わるという事例があり、勉強になった。建築確認も取り、建築協定違反でもないので、建替えた家と影になった家、双方に納得してもらうのが大変。
・ 9m は3階建てを規制している。
②領家地区
番号 |
建築協定名 |
事前協議 |
認可公告日 |
有効期間 |
当初面積 (㎡) |
当初区画数 |
協定締結タイプ |
更新等 |
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住民合意 |
1 人 |
開発(1人型を 除く) |
||||||||
453 |
領家地区 |
実施 |
平成 21 年 7 月 3 日 |
10 年 |
200,698.16 |
913 |
○ |
|
|
当初昭和62 年 11 月。3 期目 |
・ 自治会地区と協定地区が一致しているので、自治会役員と協定の運営委員会は一致している。
・ 去年の7月に2回目の更新をした。規模が大きく、更新に2年かかった。合意率 92%。合意を得るのが大変だった。マンションが4棟あり、そこにも合意してもらうため、訪問戸数が多かった。現役世代が多く、平日動ける
「シニアクラブ」が活躍した。
・ 合意書の書き方がわからなかったりいい加減に書く人がいて、修正が大変だった。書き方の煩わしさや、商売を理由に合意しないという人もいた。建築協定の限界を感じた。
・ 更新作業は大変。今回は出来たが、10 年後に若い人がやってくれるのか不安。地区計画への移行も必要かと考えている。運営委員とは別に更新のための体制が必要という指摘もあった。
・ 審査は一級建築士に依頼してやってもらっている。違反はない。民間の建築確認を取ったもので運営委員会に連絡なく建て始めたものがあったが、途中で確認して修正してもらった。
・ 地区は相鉄と三井不動産の開発で、敷地は 40 坪以上の規模がある。値上がりをして、40 坪ぎりぎりの区画も増えた。当初より小規模なものも増えた。ただし、敷地規模は最大で 67 坪なので、2つには割れない。高齢化して、2つに割りたいという声もちらほらある。
・ 委員長は元地権者で、地権者たちが協定を作った。2回目の更新は大変だったが1回目と似た状況なので出来た。3回目は世代が変わるのでさらに大変だと思う。
③興和台地区
番 号 |
建築協定名 |
事前 協議 |
認可公告日 |
有効期間 |
当初面積(㎡) |
当初区画数 |
協定締結タイプ |
更新等 |
||
住民 合意 |
1人 |
開発(1 人型を除く) |
||||||||
363 |
横浜興和台 |
実施 |
平成12年8月4日 |
10+5年年 |
103,285.9 |
462 |
○ |
|
|
当初昭和 47年1月。 3期目 |
・ 運営委員に女性が多い地区。男性は2人だけ。歴代の自治会役員、運営委員会委員も女性が多い。
・ 春に新人が入るときに勉強会をしている。勉強会用の図面を用意して、協定の内容に照らしてチェック項目を学んでいる。新たに建つ空き地はないので、実際の建築は少ない。去年、1件建替えがあった。
・ 建替えの審査時には、「私たち素人にも分かるように、協定内容に合っているかを分かりやすく図示してください」と業者に頼み、図面を出してもらった。分かりやすく赤で書くなど協力してもらえた。隣家の人から協定に合っているのかと問合せがあった時も、業者(ハウスメーカー)が説明のフォローをしてくれた。
・ 「たより」を年2回出し、市の勉強会に参加した報告などをしている。
・ 去年の春にアンケートをとり、「5年延長」に 95%が賛成してくれたので更新を申請した。今年2月(更新の半年前)までに反対意見もなく、8月に更新の予定。環境にうるさい住民が多く、続けてほしいという意見が強かったと思う。
・ 更新作業は地権者リストとの突き合わせなど事務作業が大変だった。区にも相談に乗ってもらった。
・ 40 年経つが、2世代になった家はあるが世代交代は少ない。容積 60%から 80%に変更になったことや、もともとの敷地も大きいので、2世帯住宅ができる。
・ 障害児のお子さんのいる家で、自宅でグループホームをやりたいという意向があり、「寮」になるのではないかということで市にも関わってもらいながら協議して実現した。
2)第2部 質疑・意見交換
・ 「5年延長」というのは? →手続きの猶予ができる。
・ 「無限延長」は? →延長の繰り返し
・ 「廃止まで」は? →見直しのタイミングがないので、変更したくても時代に合わないものを続けざるを得ない。
市としては推奨していない。
・ 地区計画に移る理由を知りたい →本郷台のヒアリング事例から
・ 本郷台は、色々な地区が混在した地域で、穴抜けが目立ってきたことや、老健施設の計画が出てきたことをきっかけに地区計画移行を検討した。1000 区画を超える大きな地区で、協定の運営も大変だった。
・ 地区の人によれば、「タイミング的にベストの選択だった」が、合意形成は大変だったようだ。広報も 40 回くらい出している。地区計画移行には、美しが丘の場合5年、本郷台の場合3年かかっている。本郷台では、地区計画の内容を検討するチームと、広報担当チームと作り、かつ、ブロックごとに担当者を決めて検討した。手が足りない所は、他のブロックのメンバーが応援した。
・ 地区計画になったら行政がやってくれるという期待があるが、地区計画盛り込めないルールも必要なので、それは地元でやっている。地区計画では「穴抜け」はなくなるが、地元の大変さは無くなる訳ではない。
・ 金沢区の事例では、地区計画にせずに運用で対応できるようにしようということで、建築協定は残し、それで規制できないものについて新たにルールをかけるという方向にした。地主の代替え地が地区内に散在しており、穴抜け地は多い。ルールは作ったが、担い手がいなくなって困っている。
・ 今日出席の3地区は長く続いている地区。お話しを伺うと、30 年目くらいの更新が節目になりそうだ。興和台地区はうまく乗り切っている。
グリーンタウンの場合、自治会と協定地区との関係はどうなっているのか。
・ もともとは一致していたが、隣接する新しい開発の地区が自治会に加入したので、協定以外の地区もできた。
・ 2期目は、いろいろ実態に合うように変えた。3期目の準備をそろそろやらないといけない。若い人を入れたい。自治会とは別組織だが、会合は同じ日に同じメンバーでやっている。自治会の大部分の役員は1年交代だが、協定の方は何年か続けてやっている。
・ 自治会の「案内」に、必要な時は協定に関するお知らせを入れてもらっている。
・ 興和台では自治会は1年任期だが、役員の半分が防災委員、もう半分が建築協定の運営委員を担当し、それは2年ずつやる。自治会の副会長2人がそれぞれの委員長をやる。建築協定も2年で交代なので、みんな「新人」で、勉強会をやっている。
・ 動けるのはシニア(クラブ)。領家地区では自治会館の使用は、会計を明確にしようということで、自治会活動でも会場費を取っている。ただし、シニアで使う場合は半額にしている。運営委員が高齢化しているのは問題。
・ 興和台地区は、女性の委員が多い。ブロックごとに選出しているが、結果的に女性が多かった。役員 13 人中10 人が女性。
・ 一般的には女性は尐ない。
・ 運営委員は「地権者」ということになると、男性が所有者で男性が出るものと思っている地区も多いのではないか。
・ 「運営委員=地権者」を決めている規則は多く、厳密に運営すると、家族でもダメという所もある。
・ 運用は地区ごとに考えていただくのが良い。
・ 輪番制で出しており、自分から手を挙げる人がいないのは、残念。
・ 最初に出た、高さ 8m の件について。開発当初の時期の住宅は、今と比べて床が低いこと、階の間の間隔や屋根の勾配などで、今よりも全体が低く抑えられていることもある。斜線の規制から押さえると、敷地が小さいと高さは 8m くらいになるのではないか。全体の高さもだが軒高が重要。美しが丘は軒高の制限をなくしてしまった。
・ 色々な知識を得れば、こういう理由でこうなっているのかと、安心できる点も多い。
・ 全体的に西部地区はきちんとした活動をされているとことが多く、今日出ているのはまじめに活動される中で出て来た課題である。新しい地区に対して、実績のある地区からノウハウが提供されると良い。
・ 今日はまず第1回ということで会を持った。これからも身近な地域で話し合いができると良い。今日の話し合いのまとめはまた後日報告する。
3)参加者アンケートの結果
交流会の参加者に対してアンケートを実施した。
回答の集計結果等は次ページのとおりであるが、有意義だったとする感想が多く、気軽な情報交換の場として、また、お互いの知恵やノウハウを共有する場として評価された。
また、今後も継続して話し合いたいテーマとして、①運営委員等の後継者・担い手の見つけ方や育て方( 4人)、②地域の実情等に合わせた建築協定の運営や内容変更( 4人)、③自治会・町内会等の地域組織との連携・協力( 3人)に期待する意見が多かった。
今後の方面別交流会についても参加希望が多かった。
●西部方面交流会 参加者アンケート調査の集計結果及び記入状況
* アンケートの調査表に回答の集計結果及び記入結果を表示したもの。
工業団地や準工業地域で、操業環境の維持 を目的とした建築協定地区が11地区ある。 これまで、工業系地区が集まり、協定の運営に関する意見を交換する機会は無かった。また、工業系地区の運営の実態もわからない点が多かった。このため工業系の建築協定地区の運営委員会を対象とした意見交換会を開催した。
工業系地区では、団地の協同組会がある場合は、組合が実質的に建築協定の運営委員会の機能を担っていることが特徴的である。
地区の操業環境を維持するため、地区内や隣接地区での住宅立地対策、立地業種のコントロール等が課題になっており、隣接マンショへの説明や、立地が望ましい業種の紹介など様々な工夫が行われている。
また、新任の委員が協定の運営の知識を得るため、同じ工業系地区の運営委員会(協働組合)と交流を持つことが有効であり、工業系の地区が集まって勉強会や情報交換ができる機会の必要性、行政との関係づくりの必要性も指摘された。
日 時:平成22年1月26日(火)15:00~17:00場 所:横浜市庁舎6階B会議室出席者: ○ 建築協定連絡協議会(2人) ○ 工業系地区運営委員会(3地区):港北ニュータウン・新吉田工場倉庫地区(1人)、横浜第二工業団地協同組合連合会(1人)、戸塚工業団地(1人) ○ NPO法人横浜プランナーズネットワーク(5人) ○ 横浜市 地域まちづくり課(2人)、戸塚区(1人)、瀬谷区(1人)、都筑区(1人) |
1)地区の概要と活動報告
①港北ニュータウン・新吉田工場倉庫地区
・ 港北NTの対象区域内にあった工場が集合換地として 2ヶ所にまとめられた。その一つが新吉田工場倉庫地区である。
・ 港北NT計画が始まった頃は金沢地区へ移転といわれたが、港北NT地区内での準工地域を認めてもらった経緯がある。
・ 港北NTの換地を希望する場合は建築協定への加入が前提であった。
・ 事業所は入れ変わりがあるが地権者は変わっていない。
・ 当初からは分割相続によって地権者が約10人増えており、現在88区画(元は76区画)である。
・ 建築協定では、緑化率を工場用地の10%としているが、実際には3%程度にとどまっている。
・ 自動車修理関係工場が多い。テレビで放映されたが、自動車関連修理工場が日本一多い建築協定地区とのことである。
・ 協定によりアパート、マンション、娯楽施設は建てられない。一般住宅については入居時点で覚書をもらうようにしている。
・ 従業員の通勤用の駐車が増えて困った。従業員の足として必要である。
・ 地権者は 1/3 が事業者で,2/3 が農家である。賃料を増やしたいため工業団地にはふさわしくない業種を誘致しがちである。このため、工業団地にふさわしい業種の企業の紹介等を行っている。
②横浜第二工業団地協同組合連合会
・ 昭和30年代に国の集団化事業で横浜第二工業団地と戸塚工業団地ができた。公社が分譲を行った。
・ 昭和38、39年に造成ができた。出資企業によって2つの協同組合が作られ、現在も続いている。
・ 横浜印刷工業団地組合(31社)と他の業種約30社で組合が作られている。
・ 昭和40年に協同組合(企業組合)を設立した。まちづくり関連は理事会で協議し行っている。
・ 建築協定運営委員会では予算がない。協同組合理事会で対策費等の予算を出している。
・ 昭和59年に建築協定を締結した。新しい企業が進出してきた場合は理事会の了解が必要なので、建築協定以前から工場等建築物についてはチェックをしてきた。
・ 緑化率は別として、企業間でトラブルになるようなことは起きていない。
・ 建築協定を作ったいきさつは、ある企業が社宅を作ろうとしたため、住宅系が入ってくると操業しにくくなるので建物の用途制限をする必要が出てきたことによる。
・ 産廃業者が立地しようとしたこともある。
・ 建築協定があるため、入ってきて欲しくない業種が立地していないことで操業環境が守られている。
・ 従業員の通勤用の駐車場が足りない。
③戸塚工業団地
・ 昭和57年から建築協定は存在していたが、平成21年に変更認可を行った。
・ 新しく入ってきた企業に対しては建築協定の説明を行っている。
・ 進出企業が工場を建てたら、協定地区の道路反対側隣接地のマンションからクレームがでた。建築協定に基づいて建設していることを説明して、住民の方に了解をもらったことがある。
・ 平成21年の変更認可では、道路からの壁面位置、門・塀の高さを厳しくした。また、対象となる建築物の面積を50㎡から20㎡以上と引き下げた。
・ 協同組合の理事会がそのまま建築協定運営委員会とだぶっている。
・ 道路の幅員を6mから9mに変更し家賃が割高になったが、24時間操業できるのでメリットがある。
2)質疑応答等
問:隣接地の住宅地等でのトラブルはないか?
(横浜第二工業団地)
・ 隣接地にマンションが建つこととなった。横浜市に要望をだし、市が仲裁に入りマンションの自治会と工業団地組合とで協定を結び、工業団地の存在と操業を理解・認識していただいた。
(新吉田工場倉庫地区)
・ 元は従業員の社宅として建築されたアパートが一般住宅に変わってしまい、現時点では8世帯16名が居住している。
・ 2箇所の穴抜け地が転居し売りに出されている(2箇所中1箇所は売却された)。
問:今後の課題、要望等
(新吉田工場倉庫地区)
・ 大型工場が移転しその跡地(空工場化している)の活用が大きな問題である。
(横浜第二工業団地)
・ 建築協定運営委員長が協働組合の理事長を兼務している。2年前に引き継いだ。事務局員をやとって、事務作業をしてもらっている。次の委員長に引き継ぐ時期を考えている。
・ 勉強会のうち1回ぐらいは工業系の会員が集まって情報交換できるとよい。
・ 県工学会で全県レベルの交流会を行って折り、事業者間の交流の機会はある。
・ 永年協定としているのは、更新をすると穴抜けが多く出ることが予想されるためである。
・ 具体のテーマ、ケースで行政との関係づくり、協力関係をつくる必要がある。
地区の概要や運用状況の把握・分析の結果を踏まえ、建築協定に係る技術的な相談、まちづくりに関連した相談、住民相互や開発者等とのトラブルや訴訟等に関連した相談等等、情報の提供や交換等の仕組みについて検討した。
建築物の審査等について外部のアドバイザーや専門家に意見を求めたり、業務委託している例等があり、このような技術的支援のあり方や普及の可能性などについて検討した。
地区によっては、紛争の経験が有り、紛争に対処するための積立を行っている例もある。横浜弁護士会の「紛争解決センター」がADR法(「裁判外紛争解決手続きの利用促進に関する法律(平成19年4月施行)」)の認証を受けており、センターの活用や連携等について検討を行った。
また、方面別交流会や工業系地区の意見交換会を継続的に開催するための体制や資金確保について検討を開始し、方面別検討会では、参加費(資料代相当)を徴収する場合の参加意向について、参加者アンケートで確認を行った。
担い手事業を活用した協議会の今回の取組みは、地区の実態把握やヒアリング調査、地区間の交流や他の団体等との連携の機会つくり等を通じて、協定地区の運営に役立つ情報やノウハウ等の共有を実現することにより、運営委員会の活動を多面的に支援しようとするものである。
また、このような運営委員会の活動支援を充実するため、建築協定連絡協議会の活動基盤を強化することを目的とするものである。
(下図 - 「担い手事業による協議会の取組みと運営委員会にとっての効果」参照)
今年度は以下のような点で活動の効果があった。
(1)協定地区の概要とアンケート調査結果を連結して閲覧する等、データベースの活用を始めており、ヒアリング対象地区の選定等に役立っている。
(2)ヒアリング調査は連絡協議会の委員だけでなく、テーマ等に関心のある地区の運営委員も参加しており、結果的に地区間の交流や意見交換会開催の試行実験の側面もあり有効だった。また、建築協定連絡協議会の実効的な役割を周知する機会ともなり有意義であった。ヒアリングの前後に現地での説明を受けており、運営のありかたを具体的に検討する上で有益であった。
(3)「方面別交流会」や「工業系地区の意見交換会」など地域やテーマを絞った意見交換の機会は参加者の評価も良く、継続的に開催すべきであるという意見・反応を得ることができた。
現地見学の様子
現地見学の様子 西部交流会の様子
3−2 団体内・外の評価
横浜市建築協定連絡協議会とNPO法人横浜プランナーズネットワークが協働し、検討会や作業部会を設置して検討をすすめた。回を重ねるに従い相互の活動に関する認識が深まった。データの分析集計やウェッブサイトの設計等に際して、夫々の組織が得意な分野で力を発揮し協力することで、よい成果が得られた。
アンケート調査結果の分析やヒアリング調査、交流会・意見交換会などにより建築協定地区の運営について、独自の工夫や取組みをしている例が多くあることが分かった。また、「他の地区の取組みについて知りたい」、「他の地区ではどのような運用しているのか知りたい」、「専門家アドバイザを紹介して欲しい」などの意見もあった。
方面別交流会の継続開催や協議会のウェッブサイトの開設などを通じて、これらの情報を収集・整理し、協定地区の運営情報やノウハウ等の共有化を進めることにより、円滑な地区運営を支援できる仕組みを充実していく必要性は高い。
また、交流会の企画・開催や協議会のウエッブサイトの維持・更新等、運営委員会の活動支援を充実するため、活動資金の確保など協議会の活動基盤や支援体制の強化を進めていく必要がある。
今年度は、建築協定の運営実態の把握や地区の概要など基礎的な情報を整理するとともに、運営の情報やノウハウの共有をすすめるキッカケとなる交流会を開催することができた。また、情報の受発信の窓口となる協議会のウェッブサイトの構成などについて検証を開始した。
今後も引き続き活動を継続し、協定地区の運営支援の充実を目標として以下のような展開をはかる。
(1) 市内の建築協定の運営状況などの把握
建築協定地区の運営実態などについて、引き続き情報の収集・更新や分析をすすめる。
(2) 運営状況等の情報の活用方法及び情報共有化の検討・実施
地区の概要、取組みや運営ノウハウなどの情報を収集し共有するため、協議会のウエッブサイトの開設を目指す。提供情報の検討や、活用の効果、活用のしやすさの検証作業等をすすめる。
1)組織運営の状況、技術的ノウハウ等を検索できる運営委員会用のホームページの検討・試行
2)協定たよりの紙面構成の拡充(アンケート結果等に応じた見直し)
3)Q&A集、先行事例集、ノウハウ集等の編集・発行の検討
(3)地区相互間,他組織とのネットワークづくりの検討・実施
方面別交流会や工業系地区の意見交換会等、地域やテーマを絞った意見交換・ノウハウ共有の機会づくりを実施する。
1) 1)課題解決をテーマとした勉強会の拡充
2) 2)地区同士が直接相互に訪問したり、意見交換したりしやすい機会の検討・実施
3) 協 3)建築協定に関わる専門家やNPOとの関係づくり(横プラ開催のまちづくり交流会への参加等)
(3)自 (4)自主的な活動を行うための仕組みの検討・実施
活動内容の充実にむけ、活動基盤・体制の強化を含めた検討や支援情報の提供・発信などについて、まちづくりNPOと連携してすすめる。
1)二ーズの高い相談機能の充実(専門家派遣、相談会の充実等)
2)運営委員会の組織力アップの検討・支援(担い手不足、高齢化への対応、事務局体制の充実、自治会との連携等)
3)運営委員会活動の社会的地位向上(協議会独自の普及啓発、テーマ別の表彰制度創設)
4)協議会の運営体制強化の検討(事務局体制、財政基盤等)