[1] 戸塚鳥が丘住宅地建築協定 ヒアリング記録

 

 

 

日時 200910161400-1530

 

場所 鳥が丘自治会館

 

出席者  鳥が丘住宅地(3人)

 

 連絡協議会 (3人)

 

 横プラ   (2人)

 

 地域まちづくり課(4人)

 

 

 

1.役員の高齢化について

 

高齢化というが、良い面もある。とくに、リタイアしたばかりの65才後半から70才前半は、まだ活力・豊富な人生経験が有り有意義な人材。

 

 また、委員長は結構忙しいので現役ではとても無理

 

・建売住宅地でサラリーマンが購入。2世代が住むには狭い。比較的60歳代の夫婦が多い。独り住まいの方も居る。空き家も出てきている。

 

 

 

2.委員の確保等について

 

・自治会各支部長に推薦を依頼。9支部からそれぞれ選出。自治会役員との兼務は無い。

 

・だれでも委員になる輪番制。

 

2年任期であるが、9人の半数は1年で入れ替わるようにシフト制。

 

 

 

3.委員会の運営について

 

・毎月第2日曜日午前開催

 

・住民の転入・転出と土地所有者の異動を把握することが重要。これによって地権者の確認、名簿の維持管理ができる。

 

・地権者のデータベースを持っている。運営費の徴収等に役立てている。毎月コツコツとデータの把握更新をすることが重要である。

 

・建築物の新築等の事前届けのチェック(昨年12件、今年10月までで10件)。

 

・運営委員会の議事録は必ず作成。記録をかなり細かくつけている。当番制。

 

・議事録は一般の人も見られる。

 

・大きな議題がなくても毎月開くことが意識向上の上で大切。

 

QAを昨年つくった。あったことを積み重ねて、全地権者に配っている。

 

 

 

4.会費について

 

200/年・区画、自治会費と一緒に徴収。居住地不明、海外在住を除き徴収できている。

 

・地区外地主80名程度(郵送で徴収・郵便代金160円だが!)。

 

 

 

5.建築物事前審査について

 

・外部委託ということではなく、あくまでもアドバイスといった位置づけで対応。

 

・委員会判断に際して、建築家に必ずアドバイスをもらう。

 

・審査は新築で去年12件、今年8月末現在で10件。

 

・参加者から、建築主の負担にすべきではないかという意見が出た。審査料の負担方法については検討してみたい。

 

 

 

6.トラブル対策について

 

・増築のケースで多い。

 

・物置(建ぺい率)、1坪程度の事務所(用途)で問題が発生。

 

・違反を発見したら、違反者のところへ話に行き、何回でも話し合い、是正を図る。

 

・不動産屋のチラシに「建築協定付き」を入れてもらう様に申し入れをしている。重要事項として説明しているかチェックした。

 

・ケースによってはベランダをスノコにすれば協定に触れない等のアドバイス をしている。

 

 

 

7.協定の運用について

 

・その対応はかなり厳しく実施。

 

・一方で、地域に必要なものは多少柔軟に対応(2件のデイケア施設を容認)。

 

・ルールは住みやすさを実現するためにある。環境を守ることが大切。

 

 

 

8.地区計画の検討経緯について

 

・現基準40/60では二世帯住宅は困難。

 

・協定変更(全員の合意)は困難なので地区計画を検討した経緯がある

 

・地区計画への反対者がいるのでこれも困難な状況

 

 

 

9.その他

 

・市が作成した『建築協定運営委員会の手引き(H1912月)』は重宝しているとのこと。

 

・違反のケースや解釈は、事実関係を調査の上、その都度、市や区役所に相談している。大変たすかっている。行政のバックアップは重要である。

 

 

 

●入手資料

 

・「戸塚鳥が丘住宅地建築協定運営委員会運営細則」

 

・「鳥が丘住宅地建築協定のQA

 

・「鳥が丘住宅地建築協定運営委員会年間活動計画」

 

・運営委員会の概要について

 

・運営委員担当業務表

 

・「建築協定事項確認事項取扱要領」

 

 

 

 

 

 

 

[2] さちが丘A地区建築協定 ヒアリング記録

 

 

 

日時 20099291300-1500

 

場所 さちが丘蔵屋敷会館

 

出席者 さちが丘A地区(4人)

 

 連絡協議会(3人)

 

 横プラ  (1人)

 

 地域まちづくり課(4人)

 

 

 

1.運営の仕組みについて

 

 

 

Q:区画数の割に委員が多い(11人/61区画)がなぜか?

 

A:・役員(委員長、副委員長2名、会計)計4名+ブロック長7名が役員となる。

 

・役員は選挙で選出。ブロック長は2年任期の輪番制である。

 

・役員の役職は互選。

 

・ちなみに建築が建っている52区画が加盟している。建築が建っているのに未加盟であるのは1区画。8区画は空地。

 

 

 

Q:アンケートで「三役の固定化が課題」と記入されているが?

 

A:・伊東委員長は平成8年に転居。以来、ブロック長、副委員長、委員長と連続して就いている。

 

・平井副委員長は平成7年に転居。3役となって3年目である。

 

・飯田会計は古くからやっている。

 

 

 

Q:自治会区域と協定区域が一致していないが、自治会との関係は?

 

A:・とくに関係は無い。今は3役と自治会役員との兼任もいない。

 

 

 

Q:会費は? 活動費用の回収方法は?

 

A:・自治会館使用料他で支出は年数千円程度。

 

・繰越金が数万円ありそれを運用しており、ここ数年は年会費もとっていない。

 

・会計監査は、役員間で確認しあう。

 

・かつての年会費は千円/区画であった。

 

 

 

Q:ニュースはどのような内容か?

 

A:・ニュースは年3回程度発行している。(第12号、13号を受領)

 

・ニュースの発行は、広報という意味は当然あるが、それ自身が会の歴史であり、後に確認できる記録としての意味も大きい。

 

 

 

Q:1年間の届出件数は?

 

A:・最近は年1件程度である。つい最近1件あった。

 

・基本的に入れ替わりは少ない。土地だけで56千万円するので、中々手が出ないようだ。

 

・新規入居者へは売り主および仲介業者さんから建築協定の存在を説明し、運営委員会から形式的なお願いをするが、今までに建築協定に入っていただけなかった例は無い。

 

・今の良い景観を守りたいという意識がまち全体に強い。

 

・皆が地域を守っている意識が定住率の高さに影響を与えていると思う。

 

 

 

Q:運営委員会の内容は?

 

A:・運営委員会は基本的に年3回の開催である。

 

・書類審査は運営委員会とは別に3役だけでやっている。

 

・運営委員会の内容としては、新加入者の案内、時々の課題の応じた説明、などである。最近では、道路補修に関する件や北側敷地に建つワンルームマンションの内容説明などである。

 

・運営委員会の前にはかならず全員での巡回を行う。これが委員の意思疎通にとても良い。住民にとっても運営委員会の活動を目にする機会ともなる。

 

 

 

2.更新時(平成14年)の活動について

 

 

 

Q:更新の経緯や当時の活動は?

 

A:・平成8年あたりから、元々あった高圧線の鉄塔の足下に変電所を建設する話が持ち上がった。

 

・辛抱強く折衝し、電磁波の被害が出ないように、また、景観上の問題からも半地下式での建設となった。

 

・電磁波は現在も毎月測定し、報告書もいただいている。

 

・その時の活動の中心にいたのが、黒田前委員長(物故)、飯田会計である。伊東現委員長は当時の副委員長であった。

 

・その流れから自分たちの建築協定を作ろうという動きとなった。この地区独特の歴史と言える。

 

・この活動にほとんど全世帯が参加した。

 

Q:既に建築協定があったのでは?

 

A:・第1期の協定は、分譲開始前からの地権者が結んだもので、運営委員会も休眠状態にあった。

 

 

 

3.違反対策について

 

 

 

Q:大型倉庫の設置、サンルームの設置などの違反事例があるようだが?

 

A:・第2期の建築協定を策定する際に現状を確認したところ、いくつかの違反状態が見つかった。

 

・それまで運営委員会として何の対応も取っていなかったこともあり、あまり強くいえない状況もあった上、強く言っても逆効果になってしまうこともあり、以下のような対応とした。

 

・大型倉庫を設置した件は、時間をかけてお願いし、昨年撤去していただいた。

 

・外階段の設置とサンルームの設置については、近隣からの苦情がないこともあり、黙認の状態である。

 

・南側敷地境界の法面上に架台を設置し庭を拡張したいというお宅があり、中止をお願いしたところ、協定から脱会された。それが現在ある穴抜け地の1軒である。但し、現在まで架台は設置されていない。

 

 

 

4.隣接地対応について

 

 

 

Q:地区外への対応は?

 

A:・隣接の新しい住宅開発地に対しては、外壁を1m後退してもらっている。

 

・西側に保育園が建ったときは、土地を提供した市の対応は好ましいものであった。

 

・北側に24戸のワンルームマンションができる予定だが、オーナーが元の地主であり、現委員会の渉外担当副委員長でもあり、建築協定への理解は深い。委員会としては良い環境とすべく要請をしているが、これまでの説明会等を通じても、しっかりした対応をいただいており、心配はしていない。

 

 

 

5.独自のまちづくり活動について

 

 

 

Q:「まちづくり指針」の内容と役割は?

 

A:・建築協定の細則的役割があり、協定本文にもその旨謳っている。さらに建築協定には盛り込めない地域環境保全に関する内容も入れている。(協定書本文を受領)

 

・まちづくり指針の位置づけとしては、協定書本文とセットでお願いしている。

 

・できる範囲で良いまちづくりをしていきたいが、どこまでやって良いかは微妙なところである。

 

・例えば、「ゴミ出しのマナーが悪い」とか「公園で人が騒いでいる」とか、何でも持ち込まれてしまう。あまり深入りしてしまうと、運営委員会が苦情の的となってしまう。

 

24時間空調対応の大型エアコンを設置した家があり、室外機の騒音・振動に対して近隣数件からクレームが出された。これを運営委員会で受けて、禁止条項をまちづくり指針に加えてほしいとの要望が出されたが、そこまでは首をつっこめないと遠慮した。

 

・市の騒音規制条例もあり、音への反応は人それぞれといったところで、建築協定運営委員会では対応に限界もある。

 

Q:その他のまちづくり活動は?

 

A:・迷惑駐車の問題があり、各ブロック長が日常的に見回り、ステッカーを貼る活動をしている。

 

・厳しいブロック長の時に、自治会館に来る自治会役員の車にステッカーを貼りまくり、一度もめたことがある。

 

・公園樹木の伐採を土木事務所に申し入れた。

 

 

 

6.その他

 

 

 

Q:高齢化に伴う問題は発生していないか?

 

A:・シリアスな事例は具体的には聞かない。510年後はわからないが。

 

・別地に引っ越し、時々来て草刈りをしている家は出てきている。

 

2世帯にしている例もいくつか出ている。

 

Q:専門家による審査はやっているか?

 

A:・特にやっていない。居ても良いし、居ればありがたいが。

 

Q:道路管理チームとは何か?

 

A:・協定運営委員会内の組織ではなく、任意のグループである。

 

・当地区は道路の一部にインターロッキングブロックを敷き、それが景観的に良い影響を与えている。アスファルト舗装の部分と比較して地表温度が2度程度も低く、環境的にも良い。

 

・それが、だいぶガタが来ており、市道であるので土木事務所に補修をお願いしているが、対応が年々渋くなってきている。2年前くらいまでは土木の対応も良かったのだが。

 

・ブロックが外れた箇所の補修をアスファルトで埋めただけという対応で、一方的に行われた。説明を求めたが、強圧的な応答だった。

 

・住民側の負担のあり方も含めて、今後どうしようかと検討するのが道路管理チームの役割である。

 

・ヒアリング後、秋の勉強会について現段階での進行表(案)を説明し、事例報告を依頼し、了承された。